名詞文と動詞文

名詞文と動詞文

アラビア語で書かれる全ての文は、名詞文あるいは動詞文に大別される。

その区別は非常にシンプルで、その文が名詞から始まれば名詞文、動詞から始まれば動詞文だ。

たったこれだけのルールだが、文法的には非常に重要な意味を持っている。動詞からいきなり始まる文は日本語や英語ではあまりなじみがないが、アラビア語ではむしろ動詞文のほうが一般的で、よりアラビア語らしい語順とされている。また、名詞文と動詞文の内容自体が同じ場合、たとえ文法的に大きな影響があったとしても、日本語に訳すと訳自体は全く変わらなくなることもある。

(例) اَلطَّالِبُ يَدْرُسُ  (アッターリブ・ヤドゥルス)その学生は勉強する。(名詞文)

   يَدْرُسُ الطَّالِبُ  (ヤドゥルス・ッターリブ)その学生は勉強する。(動詞文)

しかし、厳密に解釈すると文法以外にも、名詞文では勉強するその学生の性質に注目し、動詞文ではその学生が勉強している行為に目を向けるというニュアンス的な違いがある。深いアラビア語理解のためには重要な概念である。

名詞文と動詞文の大別に関しては、アラブ世界現地ではまず初めに学ぶべき最も重要かつ基礎的な概念の一つであるのに対し、日本で一般的にアラビア語を学ぶ際には教わらないことすらある。