アラビア語の月(暦)
アラビア語の月(暦)
アラビア語のカレンダーにおける「月」はなんと3種類もある。
(実は、マグリブ地方も入れるとさらに数が増えるが、ここでは最もよく使われるものを紹介するにとどめる。)
そのうち二つが太陽暦(現在の日本の暦と同じ)で、残り一つが太陰暦(月の満ち欠けを元にした暦)。
太陽暦には、いわゆるレバント地方(シリア、レバノン、ヨルダン、イラク、パレスチナ)でよく使われているものと、主にエジプトなど北アフリカ諸国で使われているものがある。
後者は英語に近いので、覚えるのは比較的容易だ。
太陰暦は、別名ヒジュラ暦やイスラム暦と呼ばれるイスラム教に関連した暦だ。
断食月として有名なラマダーン月や巡礼月であるズール・ヒッジャなどがある。
(ちなみに、地球の衛星である月そのものは「قَمَرٌ」という単語だが、日本語のような関連性は全くない。)
アラビア語の月(暦) |
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レバント | 北アフリカ | イスラム暦 | |||||
1月 | كَانُونُ الثَّانِي | カーヌーヌ・ッサーニー | يَنايِرُ | ヤナーイル | مُحَرَّمُ | ムハッラム(禁止月) | |
2月 | شُبَاطُ | シュバートゥ | فِبْرَايْرُ | フィブラーイル | صَفَرُ | サファル(虚ろな月) | |
3月 | آذَارُ | アーザール | مَارِسُ | マーリス | رَبِيعُ الْأَوَّلُ | ラビーウ・ルアウワル(第一の春) | |
4月 | نِيسَانُ | ニーサーン | أَبْرِيلُ | アブリール | رَبِيعُ الثَّانِي | ラビーウ・ッサーニー(第二の春) | |
5月 | أَيَّارُ | アイヤール | مَايُو | マーヨー | جُمَادَى الْأُولَى | ジュマーダー・ルウーラー(第一の冬) | |
6月 | حَزِيرَانُ | ハズィーラーン | يُونِيُو | ユーニヨー | جُمَادَى الثَّانِيَة | ジュマーダー・ッサーニヤ(第二の冬) | |
7月 | تَمُّوزُ | タンムーズ | يُولِيُو | ヌーリヨー | رَجَبُ | ラジャブ
(神聖月) |
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8月 | آبُ | アーブ | أَغُسْطُسُ | アグストゥス | شَعْبَانُ | シャアバーン
(離散の月) |
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9月 | أَيْلُولُ | アイルール | سِبْتَمْبِرُ | スィブタンビル | رَمَضَانُ | ラマダーン
(灼熱の月) |
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10月 | تِشْرِينُ الْأَوَّلُ | ティシュリーヌ・ルアウワル | أُكْتُوبَرُ | オクトーバル | شَوَّالُ | シャウワール
(尾の月) |
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11月 | تِشْرِينُ الثَّانِي | ティシュリーヌ・ッサーニー | نُوفَمْبِرُ | ノーファンビル | ذُو الْقَعْدَة | ズー・ルカアダ
(安住月) |
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12月 | كَانُونُ الْأَوَّلُ | カーヌーヌ・ルアウワル | دِيسَمْبِرُ | ディーサンビル | ذُو الْحِجَّة | ズー・ルヒッジャ
(巡礼月) |
実際に使われるときには、前に前置詞のفِيを置く。
فِيと月名の間にشَهْرُ(シャフル(暦の意味での「月」))をつけることもできるが、なくても問題はない。
(例) سَأُسَافِرُ إِلَى مِصْرَ فِي شَهْرِمَايُو. 私は5月にエジプトに旅行する。
عُدْتُ إِلَى الْيَابَانِ فِي يُونِيُو. 私は6月に日本に帰った。
口語での月の言い方
口語(アーンミーヤ)では他にも、日本語と同様に、月(シャフルشَهْرُ)+数字で表す人も多くいる。
例えば、شَهْرُ سِتَّةは6月、شَهْرُ سَبْعّةは7月を表すといった感じだ。
日本で一生懸命月の名前を覚えたのに、なんだ、それでいいのかと思うかもしれないが、この例に限らず、一般的に私たち外国人が書き言葉で習うアラビア語と実際に使われている口語との間の乖離は予想以上に大きく、驚くことは日常茶飯事だ。
ただ、月の名前を忘れた時にでも最悪これで通じるという安心感が得られるという点ではありがたいかもしれない。